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お知らせとお詫び

当サイト管理人について

はじめまして、omuと申すものです。当サイトの画像の作成を担当していました。

さて、管理人の慧神奈緒ですが、心無い者の手によって、現在更新が出来ない状況下に置かれているようです。
焼け出されて一命は取りとめたという話を、人づてに耳にしましたが、詳しい話はまだよくわかっていません。 いずれ、本人の口から語られる日がくることを願っていますが、今のところそれがいつになるのかも不明です。
とりあえず、不定期にサイトを確認させていただいて、スパムコメントの整理だけを行わせていただきます。
作品を読んで下さっている方には、管理人に代わってお詫びさせていただきます。

敬具

第1章 始まりと終わりに(5)

第1章 始まりと終わりに( 5 )

「絵里香ー、ひいろー」

仁は通学路を走りながら叫んでいた。

月明かりに照らされた道路はぼんやりと青く光り、風にあおられた湖面は不気味に乱反射を繰り返している。

心細くなるにつれだんだんと重くなっていく足取り。

それでも前に進もうとしてつまずいた仁は、前のめりに倒れ込んだ。

まだ少し暖かいアスファルトが鼻先で乾いた臭いを発している。

「つ・・・・」

痛みと心細さで折れてしまいそうな心を、仁は必死にかきむしる。

強くならないと・・・・。

そう自分に言い聞かせて仁は今まで生きてきた。

自分の境遇を悔やんでみても、うまくいかない現実から逃げ出しても、そして神や仏にすがってみても、結局何も変わらないことを仁は身をもって知っていたのだ。

彼を取り巻く小さな世界は弱いものには否応なしに牙をむく。

変わらない世界の中で、彼は変わることを余儀なくされたのだ。

小さな心の中にまだわずかに燻っている欠片を、仁は振るい立たせるように呟く。

「もっと強くならないと・・・・」

瞼が熱くなるのを我慢しながら仁は立ち上がった。

すりむいた膝小僧がジンジンしている。

「絵里香ー、ひいろー!!」

鼻声が混じった叫び声が、誰の心にも届かないまま、乾いた世界に木霊する。

二人共どこにいっちゃったんだ・・・・。今までこんなことは一度も無かったのに・・・・。

彼らの小学校では、生徒が十人程度の班編成で集団下校をする習慣があった。

孤児院から通学している仁たち六人は同じ班であったのだが、今日に限って仁と亮介は日直のため、帰りが遅くなってしまったのである。

彼らが帰る頃にはすでに校舎や校庭に他の生徒の姿は無く、二人はそのまま下校したのだった。

絵里香とひいろの不在に気づいた時、仁は彼女達がどこかで自分達を待っていたのではないか?と、いう思いに駆られた。

おろおろする亮介に絹江への伝言を頼み、仁は駆け出したのだ。

何年か前にあった行方不明事件が仁の頭をよぎる。

大勢の大人たちが何日も付近を捜索したが、結局その子供は見つからなかったのである。

二人に何かあったら俺達のせいだ・・・・。

仁はあふれ出してしまった涙を拭いながら、闇にぼんやりと浮かぶ校舎目指して再び走りだしたのだった。


<第1章 始まりと終わりに( 6 )につづく>



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コメント

 こんばんは。
 今日もまた寄らせて頂きました。

 仁はどうやら行動力のある子供なのかな?
 キャラクターの思考から読み取るに、大体6年生くらいかな……。
 でないと、責任を自分のものと背負い込むことが、小さい子だとまずないですからね……。大体小学正は理性がまだ薄い部分もあるので、責任転嫁になりがちですし。

 まあ、それはおいておくとして。
 1~3まで何かのプロローグを思わせるような内容でしたが、4からは1繋がりの話になるのかな?
 絵里香とひいろが何を探したのかも気になるので、また寄らせて頂きますね。
 ではっ。
神瀬一晃様
ええと仁は上級生くらいですね。

この小説は結構映像の編集的に、細かくカット割りしていますので、全体像が見えてくるまで時間がかかるかもしれません^^;

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