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お知らせとお詫び

当サイト管理人について

はじめまして、omuと申すものです。当サイトの画像の作成を担当していました。

さて、管理人の慧神奈緒ですが、心無い者の手によって、現在更新が出来ない状況下に置かれているようです。
焼け出されて一命は取りとめたという話を、人づてに耳にしましたが、詳しい話はまだよくわかっていません。 いずれ、本人の口から語られる日がくることを願っていますが、今のところそれがいつになるのかも不明です。
とりあえず、不定期にサイトを確認させていただいて、スパムコメントの整理だけを行わせていただきます。
作品を読んで下さっている方には、管理人に代わってお詫びさせていただきます。

敬具

第14章 粉雪(17)

第14章 粉雪( 17 )


「さすが、瀬崎さんだ。もう俺の・・・・・いや、僕の正体に気付いたんですね。
でも―――」

 
早坂のその言葉に続けるように、

「遅かった・・・・・・か」
 
一瞬だけ瞳を閉じて―――。

瀬崎は呟いた。
 
せめて、先刻の電話の時に気付いてさえいれば・・・・・・。

瀬崎の心に後悔が―――そしてその後を追うように、目の前の男に対する怒りがふつふつと沸き起こる。

「何故!! どうしてだ!?」
 
まるで行き場を失しなった感情の塊が口を割って噴出したようなその言葉を、

「さあ・・・・・・」
 
と、軽くいなした早坂は、

「別に、意味なんてありません。ただ―――」
 
漆黒の夜空を見上げて、独り語り始めのだった。

 



十七年前のあの事故で、たった一人生き残った阿久津亮介は、病院のベットの上で目を覚ました。

枕元には神楽仁(かぐら じん)という名札が張られ、その横には―――。

笑顔を浮かべた見知らぬ老人。

事故のあらましを端的に語ったその老人は最後に自分を早坂と名乗り、仁の遠縁である事を明かした。

そしてその時、亮介は初めて気付いたのである。

車の後部座席に座っていた自分と、助手席にいた仁が取り違えられていることに―――。
 
ベランダから落ち、骨折した足に巻かれていたジャージ。

そこには仁の名前のが刺繍してあった。

病院に運び込まれた当初は、他の患者との区別の為にその名前が使われていたのだが―――。

数日後、病院を訪れた内藤雄一(当時の田代雄一)が、

「運び込まれた方のお名前は、神楽仁様ですか?」
 
受付で投げかけられたその質問に、

「間違いありません」

と、答えたことが決定的であった。
 
事故後たった一度、しかも病室に顔を出すことなく病院を立ち去った内藤雄一が、そのことを知るよしなど無い。
 
意識を取り戻した亮介が、

「僕は仁じゃない!!」
 
と何度訴えて見ても、事故直後の記憶混濁として誰にも取り合ってもらえなかったのである。





そして・・・・・。

足のギブスも取れ、松葉杖で歩けるようになった頃。

早坂老人と共に訪れた、かつての我が家―――。

子供達の笑い声が消えた施設を前にして。

亮介は、ひとり決心したのである。

"仁"として生きていくことを―――。

帰る場所と"家族"を失った亮介に、他に選択肢は残されていなかったのである。


<第14章 粉雪( 18 )につづく>



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コメント

おおお!
奈緒さん、おはようございます(^-^)ノ

昨日のあのセリフはそうだったのですか!( ゚д゚)
う~ん、なんがた悲しいですね(;.;)
そうそう、てっきり本職がライターさんかと思ってました(^^)
この作品が1作目だとは驚きです∑( ̄□ ̄;)ナント!!
連載開始前に半年準備期間があったのですね~。
良質な作品が毎日拝見できてとっても楽しみです(≧▽≦)σファブィ!
おはようございます!
毎日、こんな素敵な文章が書ける奈緒さんなら、きっと絵本の1ページを見ればぴんときちゃうと思いますが、ストライプの本は、リマ豆が好きなのにみんなの目を気にして食べなかったしまもよう病です。しっぽが生えたり、部屋になっちゃったりします。最後はソファーになってしまった口からリマ豆を食べて元にもどります。ストーリーはそんなに人の目を気にしないでということですが、想像力が豊かだなあと思います。奈緒さんもいつも、小説のネタになりそうなことを意識していらっしゃるんでしょうね!今日もとっても面白かったです!!
こんにちわ。akiです。

えー亮介さん、他人の人生歩むんですか??

続きがきになる・・・

応援 してかえりまーす!
間に合わなかったのか・・・・

瀬崎さんと早坂さんとの駆け引きが始まるのか?ってとこで、過去バナ。

仁として生きるしかなかった、亮介・・・。
悲しい過去ですね・・・。

それからどうつながるのでしょうか?

応援ポッチと
期待です!!(>人<)
あぁ、なるほどそういうことなんですか。
これですっきりしました。

他人の人生を歩むって、早々できるようなことじゃないですよね。かなり覚悟が必要だったと思います。

さて今日も応援連打タタタタタしておきます><
ついに明かされましたね。

そうなんだ、設定とプロットに半年ですか。
でも時間をかけたからと簡単にできることではありませんよ。
奈緒さまの緻密で計画的な性格だからこそなせる小説ですね。
A型で、山羊座か天秤座あたりかな。
ポチッと。
ほえーww

早坂さんが亮介さんだったのですね~~。。。

さっぱり思ってもいなかったです>< よくここまで設定考えられるなぁ、さすが奈緒さん☆

応援ぽちっ
みぃち様・ナッツ様・ヘルニア戦士aki様・Mr.様・霧の中のあなた様・銀河系一朗様・鳳鈴桜華様
みぃち様
仕事の合間にコツコツとですからね~。
時間がかかってしまいました(笑)
実は、はじめの主人公はこの小説の中で一度しか出てこない慧神直哉だったんですよね。
もしかしたらいつかそのエピソードも公開できる日がくるかもしれません。
断言はできませんが(笑)
応援ファヴィありがとうございます。

ナッツ様
おお~なんだか、面白そうな感じですね~。
いつか手に取る機会があったら読んでみようと思います。
絵本は子供の想像力を育てるといいますから、中身が子供な私にはいい刺激になるかもしれません(笑)

ヘルニア戦士aki様
帰る場所がなくなってしまいましたからね。
小学生の彼にはそれしか方法が無かったのかもしれませんね。
応援ポチありがとうございます。

Mr.様
本当は、ここは瀬崎の推理でいきたかったんですけどね。
謎解きが長くなってしまうのもなんでしたので、早坂が語ったという風に急遽変更いたしました。
いずれは加筆する可能性があるかもしれません^^
応援ありがとうございます。

霧の中のあなた様
今回の謎解きのヒントは、小説の中にかなり紛れ込ませておきました。
早坂が阿久津亮介だということが、さらにいくつかの謎を解くてがかりとなっております^^
応援ポチありがとうございます。

銀河系一朗様
がさつなO型のおとめ座です(笑)
一日1時間程度ですから・・・・・なかなか進みませんでした(汗)
もっと早く書けるように精進あるのみです。
応援ポチありがとうございます。

鳳鈴桜華様
あちらこちらにばらばらにヒントがかくしておきましたので・・・・・わかりにくかったかもしれませんね^^;
もうちょっとうまく伝わるように、がんばって生じたいと思います。
応援ポチありがとうございます。

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