FC2ブログ

お知らせとお詫び

当サイト管理人について

はじめまして、omuと申すものです。当サイトの画像の作成を担当していました。

さて、管理人の慧神奈緒ですが、心無い者の手によって、現在更新が出来ない状況下に置かれているようです。
焼け出されて一命は取りとめたという話を、人づてに耳にしましたが、詳しい話はまだよくわかっていません。 いずれ、本人の口から語られる日がくることを願っていますが、今のところそれがいつになるのかも不明です。
とりあえず、不定期にサイトを確認させていただいて、スパムコメントの整理だけを行わせていただきます。
作品を読んで下さっている方には、管理人に代わってお詫びさせていただきます。

敬具

第14章 粉雪(22)

第14章 粉雪( 22 )


「僕にはもうひとつ目的があった―――」
 
亮介は瀬崎に押し切られる形で、

「行方が解らなかった、ママ先生の・・・・・・・」

と、言葉を並べはじめたのだった。




「何故ママ先生を殺した!!」
 
銃口を向けて、亮介は声を上げた。

「私は―――」
 
内藤雄一は亮介の瞳をちらりと見てから、

「お前達が憎かった・・・・・・」
 
と、言葉を漏らす。

「お前達を引き取るまでは、絹江は私だけの―――私だけを見つめてくれていた」
 
口惜しげに表情を曇らせる。

「しかし、お前らが来てからはどうだ!!
 彼女の瞳は、常にお前らを見ていた。
仁はどうだとか、亮介は・・・・・・絵里香は・・・・・・。口を開けばお前ら事ばかり!!
正直うんざりだった!!」


体の中に溜まったどす黒いものを吐き出すようにして、内藤は言い放った。

「私が望んでいたのは、彼女と二人だけの静かな暮らし。ただそれだけなのに・・・・・・」 
 
肩を落として、それでいて目だけはしっかりと亮介を見据えている。

「それなら何故!?」

「お前になど分かるまい!!」
 
口元に歪んだ笑みを浮かべて、

「だからだよ・・・・・・だから殺した。
 もう、誰も私から彼女を奪うことなどできない。
彼女は、永遠に私一人のものだ!!」


内藤はチラリと右方向―――。

寝室の壁に目を向けると、

「もう、誰にも私達の平静を奪わせはしない」
 
狂気に満ちた瞳で、亮介に襲い掛かったのだ。
 
パンッ―――!!

乾いた音が室内に木霊して―――。
 
内藤雄一は、足を引きずるようにしてあとずさる。

「狂ってる・・・・・・・」
 
さらにもう一度、引き金を引いた亮介は、

「いや―――。それは僕も・・・・・・」
 
と、壁に飛び散った赤い血潮を見つめながら呟いたのだった。





「そうか、お前は田代絹江の遺骨を探しに行ったのか・・・・・・」
 
瀬崎はこの哀れな殺人者を前に、少しずつ怒りが頭をすぼめていくのを感じていた。

瀬崎もまた、愛する家族を失った過去を持つ者。

その時の、烈火のような感情の昂ぶりを経験した者の一人である。

あの赤い怒りの炎に心を焼かれて、正気を保っていられる者はごくごく稀な存在であろう。

亮介も結城も、それを狂気に置き変えることによって、自らの中で失った物との辻褄を合わせようともがいていたのである。

それでは瀬崎自身は!?

瀬崎の場合は妻―――美千代の存在が大きかったのであろう。

悲しみの蒼い炎で心を焼き尽くされた美千代は、娘の死を受け入れないことによって、なんとかその均衡を保っていたのである。

その代償として、蝕まれた心がいつ何時悲鳴を上げてしまわないか―――。

瀬崎は、心の片隅でいつも気にかけていたのである。

そのことが、少なからずも瀬崎の心の平静を保たせている要因のひとつになった。

烈火のごとく燃え盛る炎を腹の下へ下へと押しやり、瀬崎はここまで歩いてきたのだ。

自分とは違う選択肢を選んだ悲しき殺人者を前に、瀬崎は静かに呟いた。

「残念だよ。お前はいい刑事になる―――」
 
亮介の心臓に照準を合わせると、

「俺は期待していたんだがな」
 
一息の内に―――。

瀬崎は引き金を引いたのだった。


<第14章 粉雪( 23 )につづく>



スポンサーサイト



▼ランキングに参加しています。
ランキング用人気ブログランキングBブログランキング・にほんブログ村へ
▲ポチポチっと応援お願いします。

この記事のトラックバックURL

http://imagina.blog115.fc2.com/tb.php/163-2312c685

コメント

コメントする


管理者にだけ表示を許可する


ご利用のブラウザ、設定ではご利用になれません。

コメントをプレビューする?

Template Designed by DW99

フィードメーター - i 「アクセス数が全然伸びない…」そんな悩みをブログジャンキーが解決します! track feed