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お知らせとお詫び

当サイト管理人について

はじめまして、omuと申すものです。当サイトの画像の作成を担当していました。

さて、管理人の慧神奈緒ですが、心無い者の手によって、現在更新が出来ない状況下に置かれているようです。
焼け出されて一命は取りとめたという話を、人づてに耳にしましたが、詳しい話はまだよくわかっていません。 いずれ、本人の口から語られる日がくることを願っていますが、今のところそれがいつになるのかも不明です。
とりあえず、不定期にサイトを確認させていただいて、スパムコメントの整理だけを行わせていただきます。
作品を読んで下さっている方には、管理人に代わってお詫びさせていただきます。

敬具

第14章 粉雪(26)

第14章 粉雪( 26 )


「やっと繋がった・・・・・・」
 
携帯電話から聞こえてきたのは、若い女の声。

「ごめん。明日そっちに行けそうにないの。
なんだかお父さんが怪我しちゃったみたいで・・・・・・」


その携帯電話とは―――。

「今、お母さんが病院に向かってるの。
もしもし?聞こえてる? ねえ、彗神君?」


そう。あの夜、慧神直哉という青年から手渡されたものである。

「もしもし・・・・・・」
 
瀬崎は思わずそう返事をしていた。

―――こんなことがあるのだろうか。

電話口から聞こえてきたその声は、瀬崎にとってはとても懐かしく―――。

そして、もう二度と聞くことは叶わないと思っていた・・・・・・。

「え・・・・・お父さん?」
 
五年前に殺されたはずの娘、ひいろの声だったのだ。





「どうして、彗神君の携帯にお父さんが?」
 
ひいろのその問いに、瀬崎は顔を歪めながら口をつぐんでいる。

どんな言葉を並べてみてもうまく説明が出来ないほど、瀬崎の頭の中は混乱と苦痛で溢れていたのだ。

「あ・・・・・・もしかして病院で彗神君―――彼に会ったの!?」
 
言葉の意味を深く考えることなく、

「ああ」
 
と、瀬崎は返事をした。

「そっか。それで今、彼は近くにいる?」

「いや・・・・・・・」

 
そう。と、ひいろは少し残念そうに声のトーンを落としてから、

「そうだ。お父さん、怪我大丈夫なの?」
 
元の調子に戻って言葉を返してくる。
 
瀬崎は、「ああ」と言いながら、もう一度胸を押さえていた手を目の前に持ってきてから、

「ただのかすり傷だよ」
 
と、頼りない笑顔を作った。
 
そこには、心なしか・・・・・・・先ほどより幾分、黒色が混じった血液がべったりと付着している。

「よかった・・・・・・」

安堵のため息をついたひいろの声が耳に飛び込んでくる。

「もう年なんだから、あんまり無理しないでよね。
 お母さんなんか真っ青な顔して家を飛び出していっちゃったんだから!!」


娘の怒った顔が目に浮かんで―――。
 
瀬崎の瞳にはうっすらと涙。

「いつも、心配ばっかりかけて・・・・・・・。
 こんな調子だといつ離婚されてもおかしくないんだから」


泣き笑いのくしゃくしゃの顔で、

「ああ・・・・・・」
 
瀬崎はそう言うのが精一杯。

「今日が何の日か分かってる? クリスマスイブよ? どうせプレゼントの一つも用意してないんでしょう?まったく・・・・・・。
 私は別にいいけど、たまにはお母さんも喜ばせてあげないと」


ひいろのお説教を、瀬崎は首だけを動かしながら聞いている。

「そうだ!! 今度二人で旅行にでも行ってきたら?」

ひいろは唐突に話題を切り出すと、

「どこがいい?」
 
と、瀬崎に意見を求めてくる。

「そうだな・・・・・・・」
 
痛みで、それ以上言葉を続けられない瀬崎に、

「やっぱり暖かいところがいいよね。南の島かぁ」
 
一人で想像を膨らませている。
 
まったく、母子そろって同じ事をいいやがって・・・・・・。
 
少しだけ幸せそうに微笑んでから―――。

瀬崎はゆっくりと瞼を閉じたのだった。

携帯電話からはなおも、ひいろの明るい声が響いている。

「南の島なら、私も行きたいなぁ。
 ねえ、お父さん。私もついて行ってもいい?
ねえ。お父さん? ねえってば―――」



<第14章 粉雪( 27 )につづく>



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コメント

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銀河系一朗様
誤字のご指摘ありがとうございます。
早速訂正させていただきます。

まさか・・・・・・はありえるかも・・・・・・・。

結構冷酷な作者なのです・・・・。

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