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お知らせとお詫び

当サイト管理人について

はじめまして、omuと申すものです。当サイトの画像の作成を担当していました。

さて、管理人の慧神奈緒ですが、心無い者の手によって、現在更新が出来ない状況下に置かれているようです。
焼け出されて一命は取りとめたという話を、人づてに耳にしましたが、詳しい話はまだよくわかっていません。 いずれ、本人の口から語られる日がくることを願っていますが、今のところそれがいつになるのかも不明です。
とりあえず、不定期にサイトを確認させていただいて、スパムコメントの整理だけを行わせていただきます。
作品を読んで下さっている方には、管理人に代わってお詫びさせていただきます。

敬具

第3章 崩壊(5)

第3章 崩壊( 5 )


「どうしてママ先生に話しちゃ駄目なの?」

薄暗い礼拝堂で三つの影が揺らめいている。

モップを持った亮介も絵里香の言葉に頷いて仁を見返す。

端のテーブルに腰掛けていた仁はモップの柄をテコにしてふわりと飛んでから、

「いいか。俺達がいままでずっとイジメを黙っていたのはどうしてだ?」
 
と、二人の前で腕を組んだ。
 
まだ三年生のエリカは首をかしげている。
 
亮介が自信なさそうに、

「ママ先生に心配させないため?」
 
と、近くの机に座る。

「そうだ。俺達が「捨て子」とか「家なし」とか言われてイジメにあっているって事を知ってみろ。ママ先生またあの時みたいに泣いちゃうだろ?」
 
亮介は、以前自分達がイジメに遭っていることを知った絹江が、礼拝堂で泣きながら祈っていた姿を思い出した。

毎朝毎日学校に行く前に、泣きはらした目で抱きしめてくれた。

まだ幼かった仁と亮介にとって、絹江のその姿は虐めらる事よりつらい記憶として心に焼きつき・・・・。
仁と亮介に「強くならないと・・・・」と決心させたのだ。

「それから・・・・」
 
仁はしゃがんで絵里香の肩を抱き、言い聞かせるように話し出す。

「いじめをする奴らにとって理由なんてものは何だっていんだ。

人と違っていたり、仕草や態度。幾らだっていじめる理由を見つけ出して襲い掛かってくる。
・・・・俺達が捨てられたのは本当のことだ。
それだけで俺達は恰好の的なんだ。「捨てられた子供」っていう肩書きはたぶん死ぬまで俺達についてまわる。
 
だから、絵里香もそういわれても泣かないくらい強くならなきゃな」

 
そういわれて絵里香は、急に悲しくなった。

自分が親に捨てられたということは知っている。だからここにいることも・・・・。

それでもまだ小さい絵里香がそれを受け入れて自分の中で完全に昇華するまでには多くの時間が必要であったのだ。

ぽろぽろと大粒の涙が絵里香の頬を伝う。

「それまでは、俺と亮介がお前達を守るからな」
 
絵里香は泣きながら何度も何度も頷いた。

亮介も仁の真似をして机から飛び降りると絵里香に近づいて頭をそっと撫でる。

と・・・・タタタッという足音と共に、もう一つの影が三人をやさしく包み込んだのだ。

「ママ先生?」
 
それは絹江だった。

物陰から全てを聞いていたのだ。

絹江の後を追うように、他の少女達も礼拝堂に駆けいってくる。

「ごめんね・・・・」
 
込み上げてくる愛しさ・・・・。

それをどう表現したらいいのか分からずに絹江はそう言うしかなかった。

薄暗い礼拝堂の中で、その場所だけが明るく暖かく思える・・・・。

そんな瞬間だった。

絹江は精一杯の優しさで子供達を抱きしめたあと、一人一人の頬を撫でながら、

「聞いて・・・・。これからはつらいことがあっても抱え込まないで全部わたしに話して頂戴。
いい?みんな。
誰がなんと言おうと、あなた達は私の子供。

かけがえのない家族なんだから・・・・」


泣きながら頷く子供達に囲まれながら絹江は神に祈らずにはいられなかった。


どうかこの愛しき子達に祝福を・・・・と。


<第3章 崩壊( 6 )につづく>



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