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お知らせとお詫び

当サイト管理人について

はじめまして、omuと申すものです。当サイトの画像の作成を担当していました。

さて、管理人の慧神奈緒ですが、心無い者の手によって、現在更新が出来ない状況下に置かれているようです。
焼け出されて一命は取りとめたという話を、人づてに耳にしましたが、詳しい話はまだよくわかっていません。 いずれ、本人の口から語られる日がくることを願っていますが、今のところそれがいつになるのかも不明です。
とりあえず、不定期にサイトを確認させていただいて、スパムコメントの整理だけを行わせていただきます。
作品を読んで下さっている方には、管理人に代わってお詫びさせていただきます。

敬具

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第3章 崩壊(6)

第3章 崩壊( 6 )


君島絵里香は携帯電話を握り締めていた。

もうどれくらいそうしているのか、彼女自身もわからない。
 
夕暮れの小さな公園は人気もなく、ただ木々が落とす長い影に埋め尽くされていた。

冷たい北風が体温を奪おうと彼女にぶつかっては散っていく。

ベンチに座ったまま、彼女はぽっかり空いてしまったかのような空間を見つめていた。

彼がいつも座っていた場所。

彼が消えてしまった以外、何も変わらないような日常からすれば、ぽっかりと空いてしまったのは彼女の心のほうなのであろう。

それを埋める術を彼女は知らなかった。

いや、本当は知りたくなかったのである。

人間の記憶とは時と共にコーヒーに落としたミルクのように曖昧になっていく。

・・・・あの愛しい笑顔さえ、いつか私の心は完全には映し出せなくなってしまうだろう。

忘却と美化を繰り返し、本当の思いでは記憶の底に沈んでゆく。

彼が持っていってしまった私の欠片はいつまでもそのまま。
けれども、いつか私はそれを失くした事さえも忘れてしまうのだろう。


そんなの・・・・そんなのあまりにも悲しすぎる。

彼女は握り締めていた携帯電話をじっと見つめた。
 
そこには先ほどまで左手に握られていた不思議な形の携帯ストラップが付いている。

そんなことをしたって、何の答えも救いも無いことは分かっている。

しかし、それでもなお彼女はそうせざるを得なかったのだ。

気付くと彼女の親指はボタンを押していた。

あの男に言われたようにはじめに三桁の数字をいれて・・・・。

頭では分かっていながらも、それでも彼女の心は期待を秘めずにはいられない。

呼び出し音と共に高鳴る鼓動。

祈るように瞳を閉じる。

風は息を潜め、木々たちは両の手を広げ彼女を静かに包みこむ。

そして数回の呼び出し音の後、その時は訪れたのだ。

携帯ストラップがぼんやりと光を放つ。

「もしもし・・・・」
 
懐かしい声が彼女の心を貫いた。

溢れ出す思いはやがて涙へと変わり、夕闇が近づく世界にこぼれ落ちたのだった。


<第3章 崩壊( 7 )につづく>



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コメント

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タンスにゴンザレス様
読んでいただいてありがとうございます。

毎回、誤字などのご指摘をいただきまして、大変感謝いたします。

何度か読み直してUPしているのですが、それでもおっちょこちょいな私。
読みにくい部分が多々あると思います。

どうぞこれからもお付き合いお願いいたします。

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