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お知らせとお詫び

当サイト管理人について

はじめまして、omuと申すものです。当サイトの画像の作成を担当していました。

さて、管理人の慧神奈緒ですが、心無い者の手によって、現在更新が出来ない状況下に置かれているようです。
焼け出されて一命は取りとめたという話を、人づてに耳にしましたが、詳しい話はまだよくわかっていません。 いずれ、本人の口から語られる日がくることを願っていますが、今のところそれがいつになるのかも不明です。
とりあえず、不定期にサイトを確認させていただいて、スパムコメントの整理だけを行わせていただきます。
作品を読んで下さっている方には、管理人に代わってお詫びさせていただきます。

敬具

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第4章 別れ(6)

第4章 別れ( 6 )

朝食がひと段落した頃、私は意を決して先ほどからの疑問をぶつけることにした。

「えと・・・・昨日の夜の事なんだけど・・・・」

彼女は口元に運んでいたコーヒーカップを止めしばらく私を見つめていた。

言葉が足りなすぎてうまく伝わらなかったのかと思った私が次の言葉を捜していると、彼女はカップを置いて、

「覚えてないんだ・・・・」
 
と、うつむいた。

気まずい空気があたりを包む。

こんな時どうしていいか分からない私は心の中で両手を組んで、「もし過ちを犯したのならそれはお酒のせいなのです・・・・」などと懺悔をする始末。

無宗教な私が神に祈ったりするのはなんともおかしな話なのだが。

いや懺悔するなら神などではなく彼女に対して行うべきなのだが。

さながら私は最後の審判を受ける囚人のようにうなだれていたことだろう。

いつ叱責と罵倒をなげかけられるかとびくびくしていたが、一向に口を開かない彼女。

おそるそる上目遣いで見ると、彼女は下を向いたまま肩を震わせている。

どっと汗が噴出すのを感じた。

こんなときはいっそ罵倒された方が、幾分か気が楽なのだということを初めて思い知らされた。

何か声をかけなければ・・・・。

何か言わなければ、この空気に押しつぶされそうだ。

「ご・・・・ごめん」

こんな言葉しか出ないのか・・・・。

こんな時になにか気の効いた台詞はないのか・・・・。

自分のボキャブラリーの無さを呪いたい気分だった。

すると・・・・・。

ク・・・・クク・・・・ククク。

彼女の口から空気が漏れるような音がしたかと思うと、だんだん大きくなり・・・・。

そしてそれはついに笑い声に変わったのである。

あっけにとられている私を尻目に彼女は涙を流しながら、

「ああ、苦しい」
 
を、連発している。
 
発作を起こしたかのような彼女の呼吸が治まるのをただ呆然と見ているだけの私。

そんな私を見て彼女はまた吹きだした。

「ごめんなさい・・・・小説とかで・・・・よくポカンとしたとか・・・・使われてるでしょ?あなたの顔・・・・まさにそれだったんで・・・・ああ、苦しい!!」

私は慌てて口を結んで、しかたなく彼女が落ちつくのを待つはめになったのであった。

「ふう・・・・。あなたが気にしているようなことは何も無かったわ。ちょっとからかっただけなの・・・・。でもあんなに慌てるとは思わなくて。笑ってしまってごめんなさい」

彼女は指で目頭を押さえながらまだこみ上げてくる笑いを抑えるように、

「部屋についてから、酔いを覚ましてあげようとお水を飲ませたのだけど、それがいけなかったのね。こぼしてしまって仕方なく上着を脱がせたの」

そう言ってカップを口に運ぶ。

「でも、裸だったし・・・・」

「私じゃないわ」
 
と、彼女は首を振る。

「あっ・・・・」と声を上げたのは私のほうだった。
 
始めは夜の都会の蒸し暑さからだったろうか・・・・。

一人暮らしを始めてからこの癖がついたのだが、冬は冬で素肌で毛布に包まる心地よさがあったので寝る時には裸になることが多かったのだ。

(もちろん自分のアパートの中だけである)を、しどろもどろになりながら説明した後、改めて私は昨日のことを謝罪した。

終始笑顔で私の話を聞いてくれている彼女。

私たちの初めての朝はこうして幕を開けたのだった。


<第4章 別れ( 7 )につづく>



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コメント

 こんばんは。今夜は少し過ごしやすいですね。
 応援の方は忘れそうなので先に済ませました。毎日UPされてるのですね。伺ってみて読むところがあると、こちらも張り合いがありますが。わたしなどは、よく煮詰って、今日はどうしようと思うことがあります。夜中の一時までには上げようと思うのですが、ぎりぎりまでパソの前にかじりついていることがしょっちゅうです(笑)
 リンクの件ですが、どこにも張らないことに深い意味はありません。
お申し出がない限り何もしないという、ただの横着です(笑) 
 今日のお話のシーンはいい雰囲気ですね。いつもは先の見えないような緊迫感が漂ってますが。
 ご訪問ありがとうございました。おやすみなさい。
 
 
こんにちはーおじゃまさせてもらっていますww
「i」、今日全部読みましたっ!!
今きたら、新作が入っていたので、読みにきたのです。感想をばww
短いのに情景が分かりやすいし、綺麗に流れていますね。一話が短いんで、読みやすいです。
でも、まだ謎はたくさん……どういう風につながっていくのか、読んでいくのが楽しみですww魅力的な言葉がたくさんあって、ワクワク。マザーアリスが、とても気になります^^
また読みに来ますね、「狼なんて」のコメもありがとうございましたっ!!
応援のポチっ。
紗羅の木様
4章と5章は、この小説で唯一の?w暖かなシーンがシーンが入ってきます。
緊迫感ばかりですとマンネりになってしまいそうですので^^

リンクの件はいつかリンクしていただけるように精進させていただきます!!

応援ありがとうございます。
凌雪様
狼なんての最新話ではやられました。

まさかそんな展開だなんて!!

マザーアリスはこの後、1、2回の出演シーンが予定されています。
が・・・・果たして今シリーズで彼女の正体が明かされるかは現在のところ未定です。

連載小説「i」は現在3シリーズまで構想がありまして、そのどれかで明かされていくはずです。

応援ポチッありがとうございます。

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