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お知らせとお詫び

当サイト管理人について

はじめまして、omuと申すものです。当サイトの画像の作成を担当していました。

さて、管理人の慧神奈緒ですが、心無い者の手によって、現在更新が出来ない状況下に置かれているようです。
焼け出されて一命は取りとめたという話を、人づてに耳にしましたが、詳しい話はまだよくわかっていません。 いずれ、本人の口から語られる日がくることを願っていますが、今のところそれがいつになるのかも不明です。
とりあえず、不定期にサイトを確認させていただいて、スパムコメントの整理だけを行わせていただきます。
作品を読んで下さっている方には、管理人に代わってお詫びさせていただきます。

敬具

第9章 追跡者(4)

第9章 追跡者( 4 )

瀬崎隆一郎は携帯を切った。

ここは花岡裕子が入院している大学病院の前である。

瀬崎が着いた時にはもうほとんど意識は無く、話が聞ける状態ではなかったのだが―――。

医師や看護士の証言で結城克己の影が浮かび上がってきたのだ。

数ヶ月前より結城は頻繁に病室を訪れていたという。

事件の当日、結城と一緒に彼女が外出していたことも分かった。

君島絵里香の死にこの二人が大きく関わっている・・・・・・。

先ほどの月島みどりの連絡で瀬崎は確信したのだった。

ただ、まだ納得がいかないことがある。

―――それは動機。

もしそれが五年前の事件に端を発しているのだとすれば、君島絵里香はまったくの無関係であるのだ。

それともう1つ。

今朝、花岡裕子の遠い親類と名乗る年配の男から病院に容態の問い合わせが来たと言うのだ。


花岡政雄の確認を取ったがそれらしい人物は思い当たらないとの事だった。

まだ何かあるな・・・・・・。

瀬崎は、なかなか青にならない信号を見つめながらタバコに火をつける。

歩道では、傾きかけた太陽を浴びてすっかり葉の落ちた沙羅の木が暗く長い影を落としていた。





斉藤篤志は頭を抱えていた。
 
世界から戦争が無くならないように、この街からも犯罪が無くなることはないのだ。
 
毎日繰り返される犯罪を処理しながら、彼はふと考えてしまう。

誰もが自分の平穏な生活を望み、求めていながら、何故人々は争いあうのかと。

それとも人は自身の平穏のために争いを求める生き物なのかと。

もともとこの世界は、弱肉強食が前提で造られている。
 
そんな世界の中で、弱者を守り平等な権利と平和をかかげるこの社会自体が矛盾をはらんでいるのではないか。

その矛盾が犯罪や戦争といった負のエネルギーを生み出してしまうのではないかと。

心を惑わせるそんな疑問がいつもを斉藤の頭の中をグルグルと廻っているのだ。

こんなイタチゴッコをいつまで―――。

斉藤のそんな思いを打ち払うように電話が鳴り出した。

「はい・・・・・・崎さん。単独行動は控えてくださいとあれほど―――ええ。―――はい。―――分かりました。町田たちを向かわせますのでそのまま待機していてください。では」
 
受話器を置いて、斉藤は気持ちを切り替えるように深呼吸をする。

「君島絵里香の事件が殺人の可能性が出てきた。瀬崎が被疑者のアパートを張っている。町田、葛西、江本、現場に。小山と飯田は花岡裕子の病院へ直行してくれ」
 
バタバタと部屋を後にする男達の後姿に―――。

斉藤は寒空の下コートの襟を立て現場で張り込んでいる瀬崎の姿が思い浮かぶ。

―――そうだ。私には私の役割がある。社会の矛盾をつついても仕方がないじゃないか。

今、目の前にあることに集中しよう。私は私の出来ることをやるだけだ。

 
斉藤は冷めてしまった薄い珈琲を一息で飲み干したのだった。


<第9章 追跡者( 5 )につづく>



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コメント

ぬおおおおおおおおおおおお
少し目を離していた間に…

誰もが自分の平穏な生活を望み、求めていながら、何故人々は争いあうのかと。

それとも人は自身の平穏のために争いを求める生き物なのかと。

もともとこの世界は、弱肉強食が前提で造られている。
 
そんな世界の中で、弱者を守り平等な権利と平和をかかげるこの社会自体が矛盾をはらんでいるのではないか。

その矛盾が犯罪や戦争といった負のエネルギーを生み出してしまうのではないかと。


これには考えさせられました。
戦争、犯罪、いじめ
これらはあってはいけないことである。

そのようなことは全ての者が分かっているはずなのに。
この小説には惹かれる言葉が多いですね。
そして、

―――そうだ。私には私の役割がある。社会の矛盾をつついても仕方がないじゃないか。

今、目の前にあることに集中しよう。私は私の出来ることをやるだけだ。

追い討ちをかけるかのようにこの台詞。
素晴らしいです。

激励のスイッチぽちっと。

イツ見ても文章が上手く、話が面白いです!!
ランクリしときます。
龍伯様・D輔様
龍伯様
お褒めいただき光栄です^^
私なんていつもどうしようもないことばかり考えていて、目の前のことがおろそかになってしまうんです。
自分への戒めのセリフです^^
ポチありがとうございます。

D輔様
読んでくださってありがとうございます^^
ランクリありがとうございます^^
お久しぶりですww
最近来れなくてスイマセン^^;ちょっと風邪引いてて・・・もうろうとしたまま更新だけはしてたんですけど。
もお大丈夫です☆

てか、まとめて読むとさらにドキドキ感が出ておもしろすぎですww
事件が明らかになってきますね・・・

続き楽しみにしてます、応援ぽちぽちっ☆
鳳鈴桜華様
ええ。。。本当はこういう小説って・・・・・
まとめて読むほうがわかりやすいでしょうね・・・・・。

いまさらながらひしひし感じていますw

お体はもう平気ですか?
季節の変わり目は、温暖の差が激しいので、どうぞお体には十分注意してくださいね^^

応援ありがとうございます。
またお会いしましょう
 こんばんは。
 頑張ってますね、奈緒さん☆
 こちらは日に日に苦戦を強いられてます。なので、ときどきフラフラしては、ホームに戻ることを繰り返してます。
 血の抜き方はまだだった(笑) 
 冒頭の結城の記述は随分前に少しずつ片鱗で出て来たシーンでしたよね、確か。
 奈緒さん、早くから伏線敷いてましたねえ(笑)
 今夜もまた出直して来ますね。遅くなりそうですが、大丈夫です、ご安心ください。
 おやすみなさい。
紗羅の木様
あんまりこんを詰めてしまわれないように^^

ちょっと寒いですが、ぼんやりと星を眺めたり、気分転換いたしましょう^^

ええ。結城のシーンはかなり前から伏線をはってました・・・・・忘れるくらい前にw

もう伏線だらけで伏線の役割を本当に果たしているのか疑問です(笑)

わたしもこれから頭をひねって、更新がんばりまする~^^

いつも応援ありがとうございます^^
花岡裕子と結城克己が犯人?

そろそろ尻尾を捕まえるのかな。

次を楽しみに、ポチッと。
銀河系一朗様
ええ。そろそろです。

ただし・・・・・・本当に二人が主犯なのか・・・・・。

更新に苦しんでいます(笑)

ポチありがとうございます。
こんばんは。
イタチゴッコに過敏に反応してしまいました(笑)
動機の謎……うーん、ミステリー街道爆進中ですね。
続きが楽し――と、もうアップされてる。
タンスにゴンザレス様
ちょっと慣用句っぽいものを使ってみました^^

タンスにゴンザレス様の影響!?(笑)

たぶんもうちょっとミステリーぽい物がつずくとおもいます^^

アップは大体0時から2時くらいですので、丁度いらしてくださる時間帯にモニターの前で格闘しています(笑)

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