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お知らせとお詫び

当サイト管理人について

はじめまして、omuと申すものです。当サイトの画像の作成を担当していました。

さて、管理人の慧神奈緒ですが、心無い者の手によって、現在更新が出来ない状況下に置かれているようです。
焼け出されて一命は取りとめたという話を、人づてに耳にしましたが、詳しい話はまだよくわかっていません。 いずれ、本人の口から語られる日がくることを願っていますが、今のところそれがいつになるのかも不明です。
とりあえず、不定期にサイトを確認させていただいて、スパムコメントの整理だけを行わせていただきます。
作品を読んで下さっている方には、管理人に代わってお詫びさせていただきます。

敬具

第9章 追跡者(7)

第9章 追跡者( 7 )

早坂仁は教会のドアに近い窓から中の様子をうかがっていた。

結城克己と神父らしい人物が何か話をしている。

始めは何か言い争っている様子であったが、今は二人とも落ち着きを取り戻したようである。

会釈をしてきびすを返した結城に、早坂はサッと頭を引っ込めた。

今度は窓枠に頬を当てて注意深く室内を見ると、丁度神父が扉の奥へと消えていくところだった。

結城はというと辺りをぼんやり見回したりしている。

どうやら神父に引き止められたようである。
 
しばらくするとグラスを抱えた神父が戻ってきて、二人は談笑しながらワインなどを酌み交わしはじめたのだ。

「ふう」

早坂は息を吐き、思った以上に体中が緊張していることに気付いた。

肩を上下させ首を廻した後、もう一度頬を擦り付けるように中に目をやると突然――――。

結城が喉を掻き毟る仕草をしたかと思うと、そのまま床に倒れこんだのである。
 
早坂はすぐにでも中に駆け込もうとしたのだが―――。

その場を動くことが出来ない。

今、飛び込めば神父を取り逃がす可能性があるからである。

単身での行動があだとなったのだ。

神父は辺りを注意深く見回した後、ボトルを結城の左手に握らせてからテーブルに戻し―――ポケットからなにやら封筒のような物を取り出して結城の手に握らせている。

床の割れたグラスと零れたワインを踏まないように数歩下がった後、手にはめていた白手袋を取り自分のグラスだけを持つと、足早に奥のドアへと消えていったのだ。

その間はほんのわずか―――。

驚くほどの手際の良さに、この男が一筋縄ではいかないことを早坂は感じ取った。

拳銃を取り出し安全装置を外すと、音を立てないよう扉を開け教会の中へ。

低い姿勢のまま結城の傍に駆け寄った早坂は、奥のドアを十分警戒しながら結城の口元に手を当てる。

まだ・・・・・・微かに息がある。

結城の口元付近に鼻を近づけると―――。

甘酸っぱい香りが微かに鼻を突く。

シアン化カリウムが胃液と反応した際に生じるアーモンド臭である。

まだ息があることを考えると・・・・・致死量に達していないか、あるいは―――。

人間の胃液と化学反応して有毒なガスを発生させるこの液体は、非常に保存が難しい。

空気に触れたり、太陽にさらされた状態で長時間置いておくと毒性が著しく低下するのだ。

―――まだ助かる可能性がある・・・・・・。

早坂は携帯を取り出し応援と救急車の手配をすると、教会の入り口においてある聖水が入っている器を抱えてきた。

信者は教会に入る前にこの聖水に指先を付け、十字を切って身を清めるのだ。

「おい。聞こえるか。おい」
 
数回左頬を平手で打つと、結城は微かに目を開く。

「これを飲むんだ。さあ。ゆっくりでいい」
 
半分くらいの水を飲ませた辺りで早坂は結城を四つんばいにさせた。

ハンカチを取り出して右手を覆うと結城の口の中に入れて指で舌の奥を強く押し込む。

結城は肩を大きく動かしてから、黄色の液体を吐き出した。

早坂はすぐさま結城の体を吐瀉物から離すともう一度水を飲ませ、胃の中の全てのものを吐き出させたのである。

ぐったりとした結城を教会の入り口まで運んだ後、扉を開けて風を通し―――。

これで・・・・・・運がよければ助かるだろう。

早坂は再び拳銃を取り出した。

ステンドグラスから降り注ぐ、斜陽に染まった十字架を横目で見ながら―――。

早坂は教会の奥へと足を進めたのだった。


<第9章 追跡者( 8 )につづく>



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コメント

テスト
今回勝手ながら、会話分の色を変えないで投稿してみました。

どちらが見やすいでしょうか?

もしよろしければご意見おねがいいたします。
おお!!銃ですか!!今後の展開が気になります!!会話分は、登場人物が多いときには色を変えたほうがわかりやすいと思います。今回のパターンも、いい感じです。応援ぽっちっと
やッ、犯行目撃!緊張が高まりました!

最初、色づけ見た時はちょっとカルチャーショックでしたよ(笑)
そうか、こういうのもわかりやすいなーと感心しました。

要は紙媒体の沈黙のイメージが好き派と、ネット媒体の斬新さを受け入れる派の好みの問題でしょうか。
私個人は当然、ネット斬新派です(笑)

それより、私も1文毎に空白行入れようかとか考えてしまう。
その辺は、みなさん、どう思ってるのかな?
携帯の人はその方が見やすそうですね。ポチッと。
会話文が少なめのときは、全部同色で大丈夫だと思いますよww
スッキリしてます☆

神父さん・・・結城さんの味方ではなかったのですね^^;

続きを楽しみに応援ぽちっw
Mr.様・銀河系一朗様・鳳鈴桜華様
Mr.様
銃の打ち合いのようなシーンはまだ考えてないんですけどね^^
実際問題、現実の日本ではあんまりそういうシーンは少ないでしょうから。
文字の色の件お答えいただいてありがとうございます^^参考にさせていただきます。
ポチ。ありがとうございます。

銀河系一朗様
やはり・・・色付けはびっくりしますよねw
こうしたら見やすいかな~とかわかりやすかな~って始めたんですけど^^;
私の場合一行空けは、どうして始めたのか・・・・・。
たぶん短編を書いたときに、空けた方が読みやすいかな・・・・と思ったことが原因だったとおもいます。
どちらが読みやすいか・・・・皆さんにまたお聞きするかもしれません。
ポチありがとうございます。

鳳鈴桜華様
ええ・・・結城は神父にとって・・・・・駒だったのかもしれませんね。
文章の色の件、お答えいただいてありがとうございます。
参考にさせていただきます。
ポチありがとうございます。
文字色は私の場合、色はあった方が読みやすいです。
ただ、男=青 女=赤
ではなく、その人物のイメージカラーの方がよいと思います。

って銃うううううううううううう
確かに日本で銃撃戦はやばい…

応援ぽちっと
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 こんばんは。
 紗羅の木、知ってますよ。使ってる、って思いましたよ。つい最近ですね。
 結城が助かれば儲けものですね。助かるのかな。
 字の着色、みなさんそれぞれですね。
 わたしはない方がいいな。先入観なく読めるから。
 ただ、地の説明が少なめの場合は、着色ありの方がいいかも、と思います。
 行間のスペースは、実は少しゆとりがある方がいいです。目が疲れる(笑) 実行しない者が言うのもおかしいですが。
 銃撃戦が見られるのですか?
 おやすみなさい。ポチ、です。
龍伯様・紗羅の木様・タンスにゴンザレス様
龍伯様
ご意見ありがとうございます。
銃撃戦・・・・・今のところは・・・・ないかも(笑)
ポチありがとうございます

紗羅の木様
ご意見ありがとうございます。
一応色はつける感じで続けようとおもいますが、今までのように登場人物ごとの色分けというかんじでなく、あくまで地の文との区別としてつかっていこうとおもいます。
これなら先入観を少しだけ緩和できるのではないかと思います。
行間は基本的にはこのままでいこうと思っています。
銃撃戦・・・・・は作者の都合で・・・・・・ないかも(笑)
ポチありがとうございます

タンスにゴンザレス様
誤字のご指摘ありがとうございます。
今日は・・・・かなりダメダメでした;;

文章の色は、今までのようにキャラクターごとの色分けはしない方向で進めていこうと思います。

ただし地の文と会話文の区別としての色分けはする感じで。
ご意見とファヴィありがとうございます^^

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